網膜色素変性症の遺伝子検査(遺伝子解析・DNA診断)を行うことで、主に以下の4つのこと・情報が分かります。
1. 原因遺伝子・遺伝子変異の特定(確定診断)
網膜色素変性症の原因遺伝子は80種類以上報告されていますが、そのうちどの遺伝子のどの部分に変異(傷)があるのかを特定できます。
近年の精密な遺伝子解析技術(次世代シークエンサー等)により、患者全体の約30〜53%で原因遺伝子が確定できるようになっています。日本人患者では特にEYS遺伝子の変異が最多であることが明らかになっています。
2. 将来的な病気の経過(予後)の推測
原因となる遺伝子の種類によって、発症の時期や進行のスピード、将来的な見え方の経過(予後)をある程度予測できるようになります。
例えば、日本人で頻度の高いEYS遺伝子の変異による患者さんは、他の常染色体劣性遺伝の患者さんと比べて視力が良好に保たれやすい傾向があることなどが解明されています。
3. 正確な遺伝形式とご家族・お子様への遺伝リスクの把握
家系内での遺伝の伝わり方(常染色体優性・劣性、X染色体性など)が明確になります。
これにより、遺伝カウンセリングにおいて、患者ご本人やご家族、お子様へ病気が遺伝する確率(再現危険率)について、より正確な数値と情報に基づいた相談やアドバイスを受けることが可能になります。
4. 遺伝子治療など最新治療(治験)への適応判断
現在、国内外で特定の原因遺伝子(RPE65、RPGRなど)を対象とした遺伝子補充療法やゲノム編集治療の開発・臨床試験(治験)が進められています。
精密な遺伝子診断で対象となる遺伝子変異が確定していることが、これらの最先端の遺伝子治療や治験に参加・適応できるかどうかの不可欠な条件となります。