網膜色素変性症|失明率はどのくらい?

網膜色素変性症において「患者全体の何%が失明に至るか」という単一の正確な「失明率(数値)」を一概に示すことは困難とされています。

これは、原因となる遺伝子の種類や遺伝形式、合併症の有無、発症年齢によって進行速度や重症度に大きな個人差(多様性)が存在するためです。

ただし、疫学データや長期的な経過観察における統計的な特徴としては、以下のような点が報告されています。

1. 中途失明原因としての割合

日本の中途失明原因の第2位:網膜色素変性症は、緑内障などに次いで日本における中途失明(視覚障害)の原因の第2位に位置する主要な疾患です。

患者数と有病率:有病率は約3,000〜4,000人に1人で、日本国内の患者数は約3万〜4万人(厚生労働省の調査では約2万9,000人)と推計されています。

視覚障害者全体における割合:日本人の失明(視覚障害)者全体の**約4分の1(25%)**が本疾患に起因しているという推計・報告もあります。

2. 長期的な視力経過と予後

10年以上の経過観察:進行は非常に緩慢(何十年もかけて徐々に進行)ですが、10年以上の長期にわたって経過を観察した研究では、90%近くの症例で何らかの視力低下が認められるとされています。

中心視野・視力の温存:周辺部から視野狭窄が進行しますが、比較的末期になるまで中心部10度以内の視野や中心視力が保たれるケースも多く見られます。

3. 遺伝形式による重症度・失明リスクの違い

X染色体性(X連鎖)遺伝:最も発症が早く、視力予後が不良(最も重症化・失明リスクが高い)とされています。

常染色体劣性遺伝:日本人に最多のEYS遺伝子変異によるタイプでは、他の劣性遺伝型に比べて比較的に視力が良好に保たれやすい傾向が示されています。

常染色体優性遺伝:進行が比較的遅く、視力予後は良好な経過をたどることが多いです。

このように「網膜色素変性症になったら必ず全盲(完全な失明)になる」というわけではなく、生涯にわたって中心の視野や視力が温存される患者さんも多く存在します。

この記事を書いた人

難治性疾患 認定鍼灸師 / 吉池 加奈

顔面と耳の解剖学を極めたのち、美容鍼や耳鼻科疾患、難病の鍼治療に取り組んでいる。患者さんとの会話をよく覚えており、持ち前の陽気さで周囲をぱっと明るくさせる人気者。興味を持ったものには一直線、休日は韓国料理食べ歩きや推し活で忙しく過ごす。

難治性疾患 認定鍼灸師 / 吉池 加奈

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顔面と耳の解剖学を極めたのち、美容鍼や耳鼻科疾患、難病の鍼治療に取り組んでいる。患者さんとの会話をよく覚えており、持ち前の陽気さで周囲をぱっと明るくさせる人気者。興味を持ったものには一直線、休日は韓国料理食べ歩きや推し活で忙しく過ごす。

難治性疾患 認定鍼灸師 / 吉池 加奈